
未経験から溶接の世界へ。「遠回り」した僕が伝えたいこと

僕は現在、航空業界の溶接工として働いています
仕事はとてもやりがいがあり、何より毎日夢中になって楽しく働くことができています
しかし、今の環境に辿り着くまで、僕はかなりの「遠回り」をしてきました

当時の僕は無資格、未経験だったというのも大きかったです
そんな状態で溶接工になろうとしても、最初は就職先が全く見つかりませんでした
たまたまハローワークで見つけた下町工場との縁があり、なんとかキャリアをスタートできたものの、働いてみて痛感したことがあります

職業訓練校に入っておくのが1番早かった
ということです
なぜそう断言できるのか?
僕が泥臭く経験してきた事実を交えて、正直にお伝えします
なぜ「いきなり現場」よりも「職業訓練校」が近道なのか

1. 「基礎」をじっくり学べる環境の有無
当たり前の話ですが、現場や工場は常に「納期」に追われています
それは裏を返せば、納期をクリアして余裕ができた時にしか、新人が基礎を学ぶチャンスはないということです
大手企業なら手厚い教育期間があるかもしれませんが、多くの中小工場ではそうはいきません

僕の場合は加工作業ばかりで、溶接はほとんどできなかったんだ
製品の品質に直結する溶接は、初心者がいきなり触らせてもらえることは稀で、大抵は溶接前の加工作業ばかりになります
実際、僕が入った下町工場でも日中は溶接ができず、休憩時間に自主練習をするしかありませんでした
さらに、転職活動中に面接したある会社では、以下のような過酷な条件を提示されたこともあります
- 日曜以外はすべて出社
- 月50時間の残業は当たり前
- 図面は仕事外の時間を使って、1ヶ月で暗記
それに比べ、訓練校は「資格を取るための場所」です
ひたすら実技に集中でき、失敗しても怒られない環境で、教育のプロからロジカルに学べます
就職するのが最短に見えて、実は訓練校で「失敗し放題の期間」を持つ方が、結果的に上達は早くなります

※画像はAI(Gemini)により生成・加工したものです
2. JIS資格という「武器」を揃えてからスタートできる
溶接の世界には「JIS溶接技能者評価試験」という資格があります
品質管理が厳しい会社ほど、この資格がないと溶接をする権利すら与えられない場合があります
このJIS資格は、訓練校に通えば難なく合格できるレベルのものですが、仕事をしながら独学で取るとなるとハードルが一気に上がります
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仕事の休憩時間で練習して資格を取ったけど、学校で学べたらもっと早く取れたはず
会社側からしても、新人に資格を取らせるには「人件費」「試験費用」「練習用の資材代」「教育する時間」といった大きなコストがかかります
だからこそ、” 最初から資格を持っている未経験者 ”は、それだけで他の候補者より圧倒的に優位に立てるのです
3. 「自分に合う溶接」を見極める期間になる
溶接と一口に言っても、種類によって特性や楽しさは全く異なります
✅溶接の種類
- Tig溶接
精密で美しい仕上がりが特徴で、航空業界などで多用される - 半自動溶接
効率が良く、厚い鉄板を繋ぐ構造物に向いている - アーク溶接
基本中の基本であり、屋外の建設現場などで活躍
現場に入ってしまうと、その会社が使っている方式に縛られます
しかし、訓練校なら一通りの溶接を経験できる場合があります
かつての僕が1時間が一瞬に感じるほど夢中になれるものを見つけたように、就職前に自分の「得意」や「好き」を確認できることは、ミスマッチを防ぐ最大のメリットです
僕が経験した「ハローワーク→下町工場」ルートのリアル

ハローワークから下町工場へ入り、僕が手に入れた最大の収穫
それは現場の溶接は、教科書通りにはいかないという厳しい現実を肌で知ったことです
僕は学生時代に県内の溶接競技会で最優秀賞を取った経験があり、技術には少し自信がありました
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現場でもすぐ上達して、他の人より上手くできるでしょ
しかし、現場ではそのプライドが木っ端微塵に砕かれたのです
1. 「競技」と「仕事」の埋められない溝
学生時代に学んだのは、整理整頓された作業台で、綺麗な資材を使い、楽な姿勢で溶接すること
しかし、実際の現場は真逆でした
- 過酷な姿勢
無理な体勢での作業 - 資材の状態
錆や油がついた実戦用の鉄板 - 極限のスピード
高い品質を保ちながら「納期」に追われるプレッシャー

現場の溶接は、こんなにも別物なのか……
全く思うようにいかず、歯がゆい思いをしたのを覚えています
2. スキル習得にかかる「膨大な時間」
現場に入って一番のハンデは、”練習する時間が物理的にない ことです
納期に追われる中、新人の僕は加工作業ばかり
昼休憩に資材をかき集めて練習しても、せいぜい2〜3枚が限界でした

こんな環境で、いつになったら上手くなるんだろうか…
そんな焦りだけが募る毎日
仕事で溶接に触れられない環境は、技術職を目指す者にとって大きなブレーキになります
3. 5年後の自分が見えてしまう恐怖
一番の転換点は、”5年以上勤務している先輩たちが、自分と同じ「下準備」の作業を続けている のを見た時でした

このままここに居続けて、本当に憧れの職人になれるのだろうか…
その強烈な不安こそが、僕を資格取得や転職活動へと突き動かすエネルギーになりました
職業訓練校で「溶接」を学ぶ前に!必ず確認すべき5つのチェックリスト
溶接の世界へ異業種から飛び込む際、職業訓練校は非常に強力な味方になります
しかし、全国どの訓練校でも同じ内容が学べるわけではありません
入校してから自分がやりたかった溶接と違ったと後悔しないために、以下のポイントを必ずチェックしておきましょう

大変だけど、後で後悔しないように調べておこう!
1. 入学時期(開講タイミング)は施設ごとに異なる
職業訓練の入校時期は、4月や10月といった年度の節目だけではありません
- ポリテクセンター(国管轄)
3ヶ月ごと、あるいは毎月のように募集がある拠点もあります - 都道府県立の訓練校
年1〜2回の募集が一般的です
【注意点】
申し込みから入校までには、ハローワークでの相談や選考(面接・筆記試験)など、2〜3ヶ月程度の準備期間が必要です
「明日から行きたい」は通用しないため、早めのスケジュール確認を心がけましょう

希望時期に入れなかったとならないように注意してね
2. 学べる「溶接の種類」を特定する
工法によって扱う機械も技術も全く異なります
自分の目指す業界に合ったコースを選びましょう
- 被覆アーク溶接
建設現場などで使われる基本技術 - 半自動溶接(MAG/MIG)
自動車や造船など、多くの工場で主流 - TIG(ティグ)溶接
ステンレスやアルミニウムを美しく接合する技術。航空宇宙や精密機器、プラント配管を目指すなら必須です

将来やりたい仕事があれば、そこから選んでみよう
3. 「特別教育」や「技能講習」のセット内容
現場で働くためには、技術だけでなく法律で定められた「安全教育」の修了証が必須です
- アーク溶接特別教育
- ガス溶接技能講習
- 自由研削といし特別教育
これらが訓練期間中に「施設内で一括取得」できるコースを選ぶと、就職活動を圧倒的に有利に進められます
4. 施設見学会には必ず参加する
溶接は「火花」「煙」「夏場の暑さ」を伴う過酷な環境です
- 自分の体質的に耐えられるか?
- 訓練校の設備(溶接機)は最新か、あるいは現場に近いものか?
これらはパンフレットでは分かりません
また、見学会への参加は面接時の「意欲の証明」にもなるため、参加は必須と言えます

百聞は一見にしかず!
体感してイメージと合っているか確認してみよう
5. 修了生の「就職実績」を読み解く
就職支援担当者に、過去の卒業生がどのような職種(製造、建設、メンテナンス等)に就いているかを聞いてみてください
特定の専門技術を要する企業との繋がりがあるかを知ることで、卒業後の具体的なキャリアパスが見えてきます
まとめ:基礎という「土台」が、その後の成長スピードを左右する

未経験から溶接業界に入って約3年
今になって痛感するのは、 基礎(土台)ができているかどうかで、その後の職人としての伸び代が劇的に変わるということです
僕は下町工場時代、製品そのものの溶接に携わる時間は少ない状態でした

少しでも溶接の技術をあげたい
そんな思いで、隙間時間を見つけては必死に基礎練習と資格取得に励みました
その結果、航空業界へ転職した際、未経験で入社した同期の中で、1番早く社内資格を取ることができたのです
その後も溶接作業にすぐ携わることができ、同期よりも早くステップアップできました
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この時に基礎練習の大切さを実感できたんだ
もし、僕が最初から職業訓練校で集中的に基礎を学んでいれば、このスピード感はさらに早かったと思いま
これから異業種から溶接工を目指す方は、ぜひ「職業訓練校」という選択肢を第一候補に入れてみてください

遠回りをした僕だからこそ、おすすめしたいんだ!
さて、土台を固めた後に待っているのはいかにして理想の職場を見つけるか です
次回の記事では、僕が下町工場から航空業界への大逆転を果たした際に活用した、転職エージェントの具体的な使い方について詳しく解説します
ぜひ、次の記事も見にきてくてくれると嬉しいです



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